恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「それより、どうしたんだ。怪我をしたのか?」
社長に言われ、ハッと気づく。
私、あちこち包帯だらけだった……!
「え、ええ、ちょっと派手に転んでしまいまして」
誤魔化そうと思って無理に笑うと、社長は目を細める。
と言ってもそれはいつもの優しい目ではなく、厳しく何かを見透かそうとしているような目だった。仕事をしているときの一成に似ている。
「迷惑をかけてしまったのは、こちらかもしれん」
「えっ?」
どういうことだろう。
その意味を追求しようとするけど、社長はそれを制するように首を横に振った。
「暗くならないうちに帰りなさい。絶対にひとりじゃいけない。タクシーを使いなさい」
「え、でも……」
来たばかりだし、ここからタクシーじゃけっこうお金がかかるし……。
検査と診察代ですっかり寂しくなった財布の中身を思い出してしまう。
「いいから、そうしなさい。これからは私が頼むまで、来てはいけない」
そう言いながら社長は枕の下から財布を取り出し、お札を出そうとする。
まるで、たまに会ったからお小遣いをくれる親戚のオジサンみたい。じゃなくて。