恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「た、助かったぁ~……」
一成が助けに来てくれなかったら、本当に危なかったかも。
ホッと安堵のため息をつくと、一成が私を地面に降ろした。そして、私の顔を指でぬぐう。
「姫……お前、真っ黒だぞ」
はっ。そう言われれば、灰の中で転がっちゃったんだっけ。
頭からつま先まで……いや、鼻の穴も耳の穴も真っ黒に違いない。
ぽんぽんと頭や服の灰を払ってくれる一成を見上げると、彼はふと笑って言った。
「いくらシンデレラでも、リアルに灰をかぶる必要はないのに」
ひ、ひどい! 本当に怖い思いをしたのに、ネタにして笑うなんて。
抗議しようと思ったら、一成が自分の額を拭った。私の灰のせいで、おでこが真っ黒になった。
「ごめん。ほっとしたら、笑えてきた。本当に、無事で良かった」
少年みたいな顔で笑う彼を見たら、不思議と怒りが一瞬で消えてしまった。
スーツが汚れるのも構わずに私を抱きしめてくれる彼が、愛しくてしょうがなかった。