恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
──私はバカです。
日下部長の車に乗った途端、今までの疲れが出たのか、見事に爆睡してしまいました……。
目を覚まして時計を見ると、ホールを出てから約三十分が経過していた。
「早くしろ、ちょんまげ」
日下部長の車は、黒い国産の乗用車で、変な芳香剤の香りもしなくて、とても乗り心地が良かったので……。
って、いくら言い訳をしても仕方ないよね。ダメだなあ、私。
日下部長はアンケート用紙が入った紙袋を持ち、人事部までさっさと廊下を通っていく。
うわぁぁ、歩くの超速いよ。やっぱり怒ってるのかなあ。
やっと追いついた時、日下部長は人事部のドアロックを社員証で解除して中に入り、紙袋を私のデスクの下にどさりと置いていた。
「あ、ありがとう……ございました……」
寝起きで走るの、けっこう辛かったなあ。
息を切らせながら頭を下げると、その上に妙な圧迫感を感じた。
な、なんだこれ……頭頂部が温かいんだけど……。
ちらと視線を上げると、そこにはなんと日下部長のスーツの袖が。
こ、これって。もしや、頭を撫でられてる?