恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「よく頑張った」
低い声が、手を伝わってくる。
「残業もして、朝から昼食もとらずに頑張って、それなのにあんな言われ方をしたのに、よく我慢した」
それって、今日の会社説明会の話?
朝から頑張ってって……知ってたの? 見ててくれたの?
そんなふうに評価してもらったの、初めて……。
そう思うと、じんわりと胸が熱くなった。
それと同時、ぐうううと空腹の限界を超えたお腹の虫が鳴った。
な、なんというタイミングで!
ばっと両手でお腹を押さえると、頭上でぷっと何かが破裂するような音がした。
顔を上げる。そこには、口元を押さえた日下部長が。
わ、笑ってる……! あの、いつも無表情で無愛想な部長が笑ってる! っていうか、笑われてるのか。
「よし、食事に行こう」
食事に……行こう?
「何を呆けている。行くぞ」
ぽんぽんと私の頭を軽くたたき、日下部長はドアへと近づいていく。
行くぞって、もしかしなくても私、食事に誘われてる!?
「は、はい!」
あの、休憩も一人でとるという、人を寄せつけないという日下部長に食事に誘われるなんて。これは行かないでどうする。