恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
そう、ほら、知美に頼まれたじゃない。日下部長の情報を仕入れてきてって。
色々と話を聞いて、知美に恩を売ってやるのよ。
私は人事部のドアをロックし、どんどん先に歩いて行ってしまう日下部長を追いかけた。
しかしその広い背中を見て、ふと立ち止まる。
もしかして……部長も、知美が目当てなの?
私と知美が同期だっていうことを、既に知っていてもおかしくない。
彼も、他の男の人たちと一緒で、知美との橋渡しを、私に頼むつもりなのかも。
そう思うと、胸がぎゅっと痛んだ。
「どうした?」
足音がしないことに気づいたのか、日下部長が立ち止まってこちらを振り向く。
「いえ……」
どうする?
もう、惨めな思いをしたくないのなら、この誘いは断った方がいいのかもしれない。
男性は、誰も私のことなんか見ていない。
私より遥か上のステージにいる知美を、見ているんだから。でも……。