恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「申し訳ありません、そちらのコースは予約制となっておりまして」

「店長にこれを渡してくれ」


頭を下げる店員に、日下部長は名刺を差し出す。

それを見た店員は、はっと目を見張った。


「いえ、大丈夫です! かしこまりました!」


店員は、しゃきっと背を伸ばし、その場から離れていった。

もしや、日下一族の行きつけのお店なのか?

だとしたら、すごい。住む世界が違うって、こういうことを言うのか? いや、ちょっと違うか。


「私、和牛なんて食べたことないです」


実家は庶民中の庶民で、食卓に牛さんが上ることなんてほとんどない。

たまーに上がったとしても、外国産の安い細切れだ。


「それは良かった。初体験か」


部長は微妙に微笑むと、「飲み物だけは自分で決めろ」と再度メニューを渡してきた。


「では、ウーロン茶で」


無難に決めた瞬間、キムチの盛り合わせが運ばれて来たので、ついでに注文する。

部長も運転をするので、同じものを頼んだ。


< 40 / 286 >

この作品をシェア

pagetop