恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「白鳥、帰るぞ」

「は、はい」


部長が立ち上がる。

帰るぞって、一緒に出ろってことだよね。

さっさと歩いていく部長についてそっとすりガラスルームから顔を出すと、もうほとんどの社員がいなくなっていた。

まだいるのは、男性社員が二人だけ。


「キリがついたらあがれよ」

「はい、部長」

「部長、お疲れ様でした!」


顔を上げて挨拶をしたのは、同年代の若い男性たちだった。

人事と違って、やっぱり営業部はイケメンが多いな。イケメンと言うか、同じ素材でも、見せ方がうまいって言うか。人に見られることを意識してるからなのかも。

そう言えば、日下部長だってまだ二十八歳だよ。たった三つ違うだけなのに、だいぶ上のステージの人に思える……。


「何をボーっとしている。早く来い」

「えっ」


部長はエレベーターの前を素通りしてしまった。

帰るなら、エレベーターに乗って一階まで降りなければいけないのに。


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