嫌い、のち好き、のち愛
「なんせ食べるのが好きなので。自分が食べたいものに関しては労力を惜しみません」
「へえ……」
そう言う彼女は確かにキラキラしてて。
物欲なし、食欲なし、性欲まあまあ、睡眠欲まあまあの俺にはなんだか羨ましい。
真咲ちゃんが言うように俺って人間的にひどかったかもしれない。
もう何年も特定の彼女は作ってないけど、今まで付き合っていた女の子を俺は本当に好きだったんだろうか。
俺がこんなんだから、きっと相手も同じような気持ちだったんだろう。
二枚目のトーストを頬張る真咲ちゃんを見る。
「なんですか?」
そう言いつつ、食べることをやめない彼女をかわいいと思った。
彼女に、聞いてほしいと急に思った。
真咲ちゃんなら、受け止めてくれるような気がして。