嫌い、のち好き、のち愛
「それはダメです。村上さんは、いらなくなんかないんです。村上さんが、なんの欲もなくて人間らしい暮らしをしてないのは、自分をいらない人間だと思ってたからなんですね」
そう言われて、初めてその事実に気付いた。
確かに、別にいつ死んでもいいと思っていた。
消えてなくなれたら、どんなに楽になるだろうなと、思っていた。
「いらなくないです。村上さんはいらない人間なんかじゃありません」
そう言われて、顔が歪んだ。
視界が、涙で滲む。
俺は、ずっと、誰かにそう言ってほしかったんだ。
耐えられずに、俺は真咲ちゃんのことを抱きしめた。
低い嗚咽をもらす俺の背中を、真咲ちゃんが優しく撫でててくれる。