嫌い、のち好き、のち愛

「そうなんですね。村上さん通りかからないかな、なんて思ってたんで。テレパシーが通じたのかと思っちゃいました」


「ん?なんか用事あった?」


そう言うと真咲ちゃんは少し困った顔をしてチラッと後ろを振り返る。


あの業者の男は、まだ立ち止まってこちらを見ていた。


「食事に誘われたのをお断りしたんですが、すごくしつこくて。だから、村上さんが来てくれてよかったです」


そう言われて、ああ、やっぱり他の男には渡したくないと思う。


「通りかかってよかった。事務所まで一緒に行く?」


「いいんですか?」


安心したように笑う真咲ちゃんに、俺は決意を固めた。
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