ひなた と ひかり
座ろうか、なんて思い、椅子をひいたときだった。
ずしん、といきなり背中に重みがかかる。
「ひなた!!」
私のよく知る声だった。
振り返らなくても誰だかわかる。
「歩美!!」
同じクラスだという嬉しさに、思わず大きな声を出してしまう。
工藤 歩美(クドウ アユミ)。私の中学からの一番の親友だ。
「ひなたと同じクラス!!嬉しい!!最後の最後で離れちゃったらどうしようかと思ってたよーー!!」
「はいはい、わかったから。座ろう?」
中学1年生のころから、1度もクラスが離れたことがない私たち。
だから歩美はもちろん、私とひかりの区別もつく。
ちなみに、うちの高校は2年生から3年生に上がる時はクラス替えがない。
だからみんな、1年生のときより、より強く良いクラスになることを願う。
それから私たちは先生が来るまでの間、ずっとおしゃべりをした。