手に入れる女

次の日の朝。

優香が、コーヒーを飲みながらゆっくりくつろいでいるとふいに玄関のチャイムがなった。
そこには険しい顔をした佐藤が立っている。

玄関の戸を閉め、二人は、しばらく無言でそこにつったったままだった。
佐藤は優香を抱きしめキスをした。
それから強引にベッドまで連れて行き、彼女を押し倒した。

「もうすぐ圭太が来るのよ」

かろうじてそれだけ言うと、佐藤は怖い顔で一言「知ってる」と言ったっきり、優香の体を貪った。
優香は佐藤に抗うこともせず、ただただ佐藤の激しさに優香は我を忘れた。


***


圭太の準備は完璧だった。

二人で湘南までドライブして、そこのとっておきのレストランで婚約指輪を渡す。

紺のベルベットの箱を開け中身を確認する。一粒のダイアが立て爪の台座にのったシンプルな指輪。
日の光を受けてキラキラと光り、綺麗なプリズムを作っていた。
優香は受け取ってくれるだろうか?
圭太は緊張しながら胸のポケットにしまい込んだ。

レストランの予約も済ませておいたし道も確認しておいた。

花束を持って、優香のマンションを訪れる。
最高の日になるはずだった。

圭太は、優香のマンションのドアの前に立つと、気を落ち着けようと深呼吸を一つした。少し上気した息を整える。
それからゆっくりとチャイムを鳴らしたが、優香は出てこない。

何回か鳴らしたが出て来ない。
訝しく思いながら、ノブを回してみたら、あっさりとドアが開いた。

「優香さん? いるのー? 入るよー」

部屋中に響き渡る声を出しながらつかつかと中に入って行く。


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