手に入れる女
会いたい、会いたい、会いたい………
気がつけば、優香は佐藤のことばかり考えていた。
絶対に連絡はすまい、と自分に誓っていたが、このままだとおかしくなりそうだった。
佐藤の顔が見たい、声が聞きたい、肌に触れたい……
気がつけば、優香は佐藤のケータイに電話をかけていた。
「……もしもし?」
佐藤は明らかに警戒した声だった。誰からの電話かわからなかったのだろう。優香は大きな深呼吸を一つして
「もしもし」
とだけ答えた。
長い間沈黙があった。話そうか切ろうか迷っている沈黙だ。
優香は心の中で決意していた。自分から名乗りをあげるまい、この「もしもし」で誰からか分かったら、先に進もうと決めていた。
「……小泉さん?」
佐藤はとうとう返事をした。優香は一方的にまくしたてた。
「そう、小泉です。どうしてもお会いしたいので、明日コーヒーショップに来てくれますか。7時過ぎから来るまでまっています」
そして電話を切った。
明日、佐藤は来るだろうか?