染色の恋心
なんとなく、嘘をついてしまった。

衣緒はそっかーと言ってもって来た箸でお弁当を食べた。

私は屋上に張ってあるフェンスから下を眺める。


あ、いる。紫藤。


他の男子と仲よさそうにバスケをしていた。衣緒が惹かれる理由も分かる気がする。

私は日陰に戻り、お弁当を食べ始めた。

「ねぇ衣緒」

「ん?なに?」

「やっぱなんでもない」

「え、なにそれー」

「何でもないよ本当に」





何でもない事になる前に
水が溢れ出す前に






私は衣緒の方を見て、優しく微笑んだ。
衣緒が私の1番の親友だから。
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