お見合い結婚～イケメン社長と婚前同居、始めます～

私がぼんやりと見つめていて、隙を見せたのが悪かった。

 

藤丸さんはそんな私の手首を掴み、ニヤリと意地悪そうに笑顔を見せると勢いよく藤丸さんの方へ引き寄せた。

 

ベッドに身を投げ出したような状態になってしまった私を、藤丸さんはその細身の体からは想像もつかないような力で私を腕の中へスッポリと納めてしまった。

 

 

「きゃっ」

 

思わず出てしまった小さな叫び声に藤丸さんは楽しそうにクスクスと笑っている。

 

 

「いくら酔っぱらっているからって、いい加減にしないと…」

 
「こうやって抱きしめていると、安心する」

 

私が語気を強めているの藤丸さんは完全に無視で、まるで私は抱き枕のような扱いだ。