お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
マンションから藤丸さんの会社まではドアto ドアで20分程度の距離。

私は藤丸さんの指示通りにタクシーに飛び乗り、行き先を伝えた。


美夏とランチに行った帰りだったこともあり、今日はいつもよりもメイクだって服装だってオシャレしていて助かった。

部屋着じゃさすがに藤丸さんの会社に乗り込む勇気なんてない。



そんなことを思いながらエントランスからタクシーまで久しぶりに全速力で走ったせいで乱れた髪を、タクシーの窓ガラスに映る姿を見ながら少し手直しした。




◆◆

大事な書類を両手で抱きしめるように持ち、タクシーを降りたのは藤丸さんの会社――そう、私がリストラされる原因ともなった藤丸ハウジングの前だった。

都心のど真ん中にそびえ立つ42階建のビル。その34階と35階が藤丸ハウジングとなっている。
私はビルを見上げ、少し足がすくんでしまったから大きく数回深呼吸をした。


そんな私の様子にビルから出てくるいかにも仕事出来ますオーラを放っているビジネスマンたちが冷たい視線を投げかけてくるから、私は小さくなりながら受付のある34階へと急いだ。

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