お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「そうだ。せっかくこうやってまた会えたんだ。せっかくだから2人で飯でも行かないか?前みたいに」

反応のない私に向かって桐谷課長は耳元でそう呟く。

あぁ、こんな感じだったな。あの頃も。


桐谷課長の誘いも、頭の中に藤丸さんの笑顔がちらついて心が動かない。
私は大きく首を横に振った。



「そうか。」
納得したのか、納得してないのか分からない感情の込められていない返事に私は一礼して出口へ向かって歩こうとしたのに、桐谷課長はそれを押し留める。


「そういえば、琴理は社長と住んでいるんだってな。婚約者だとか聞いたけど。」
思わず見上げた桐谷課長の顔は、私の視線を感じ取るとニヤリと意味深に微笑む。

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