お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「琴理、俺の昇進の話。社長に通してくれないか?俺と琴理の仲だろう?」

背筋がぞくりとした。

だって桐谷課長がこんなこと言う人だなんて思ってもいなかったから。



「無理です…」
私が小声で拒否をすると、桐谷課長はチッと舌打ちをする。

「お前みたいな地味な女を相手してやった俺に、少しくらいは恩返ししろよ」

「…無理なものは、無理なんです」

桐谷課長の冷たすぎる口調に足がすくみそうになるのを堪えて、俯きながらはっきりと伝えると、頭の上から桐谷課長の冷笑が降ってきた。


「まぁ、でも。社長も物好きだよな。不倫していた地味な女捕まえて、婚約者とか言っているなんて…」

冷笑とともに言い放たれた言葉にカッとなってしまったと思った時にはすでに手遅れだった。
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