お見合い結婚～イケメン社長と婚前同居、始めます～
「幼稚舎の頃、藤丸さんと私は同級生だったって本当ですか？」

藤丸さんと対峙した私がそう言って、藤丸さんを見る。
少しだけ見上げるような形になった私と藤丸さんの視線はかち合ったのに、藤丸さんは気付かなかったようにして、スッと視線を逸らした。



明らかに動揺している様子の藤丸さんに、同級生ってことは本当なんだということが確信に変わっていく。


「母から、聞いてしまったんです。でも、そのアルバムのなかに藤丸さんは見つけられませんでした」

「そう」

ため息とともに漏れ出た藤丸さんの返事。



少しだけ時間だけが止まったような沈黙の空気が２人の間を流れると、藤丸さんは小さくもう一度だけ息を吐き、私を真っ直ぐに見つめる。


「琴理ちゃんは覚えていないかもしれないけれど、僕たち幼稚舎の同級生だよ。」

一気に言い終えた藤丸さんは、フッと目を細めて微笑むだけだった。

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