その男、猛獣につき
「そ、そ、そ、そんな事、自分で考えろ‼」
先生は私の質問を一喝する。
私が呆気に取られて何も言えないでいる隣で、
「敦也、あいつ……」
先生はぶつぶつと不機嫌そうに呟く。
そして、ぶっきらぼうに口を開く。
「まぁ、あれだ。百戦錬磨の猛獣の恋愛は毎回本気だ。お持ち帰り専門とは、違ってな。」
私の方なんて一切見ず、真っ直ぐ前を見ている。
最後は耳をすまさないといけないかと思うほど小さく呟く。
「猛獣も、最近は恋愛には猫じゃらしで遊ぶ子猫みたいになってるけどな。」
子猫……。
猛獣が子猫、というより、先生が子猫……。
どんなにイメージしても、先生が子猫にだけは見えなくて私は吹き出してしまった。
私の笑いに先生は不服そうにしている。