その男、猛獣につき
そんな私の訴えにも、興梠先生の怒りにも敦也さんはどこ吹く風。
というよりも、むしろこの状況を面白がっているようだ。
「もういい。敦也。お前には後で連絡する」
明らかに怒りのこもった先生の言葉に私は身をすくめる。
「行くぞ、有田!!!」
「えっ?」
急に話しかけられた私は戸惑う。
「でも、敦也さんがパスタ…」
私が喋り終わることを待つことなんてなく、先生は私の手首を掴む。
「いいから、行くぞ!!」
そう言って先生は私の手首を掴んだまま、グイグイと歩き出す。