その男、猛獣につき
「主税、舞花ちゃん。また来週。お疲れ様~」
敦也さんは私たちの様子を楽しそうに笑って見ながら、大きく手を振っている。
バタン―――
先生は私を四駆の助手席に乗せると、自分も運転席に乗り込み、大きなため息をついた。
いつも見慣れないスーツ姿だからか、それとも好きだと確信したせいだからか、いつもと雰囲気の違う先生に胸の鼓動がいつもより大きく聞こえてくる。
手首には、まださっきまで先生に掴まれていた感覚がしっかりと残っている。
「さて、これはどういうことだ?」
先生の口調は、未だに怒りが込められている。先生が見せたのは、スマートフォンの画面。