その男、猛獣につき

★☆★

「有田ちゃん、何かあった?昨日から様子がおかしいわよ?」

 

翌朝、迎えた土曜日は晴天で治療用のタオルケットを屋上に干していると、嶋本さんに尋ねられる。

 

「えっ?そうですか?」

 

「どことなく、上の空っていうかね。まぁ、女の勘というかおば様の察知能力?興梠先生と何かあった?」

 

 

さすがの察知能力!!

そう言ってみたいけれど、私は苦笑いするしかない。

 

「そういえば、最近興梠先生も荒れてないっていうか、おとなしいわね。猛獣じゃなくて飼い猫位に落ち着いてるわ」

 

 

私と嶋本さんの話に、五十肩に物干しは辛いわぁ、とぶつぶつ言いながらも竹内さんが会話に入ってくる。

 

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