その男、猛獣につき
泣いちゃいけない。
私が悪いんだから…

そう言い聞かせても、目頭が熱くなって、先生の姿がぼやけて見える。
先生はそんな私を見て見ぬふりしているように、視線を彷徨わせる。


「朝から、誰かに八つ当たりしそうなので、俺ちょっと頭冷やしてきます」

先生は一言言うと、そそくさとスタッフルームを後にする。



「有田ちゃん。ちょっと」
スタッフルームの一番奥から声がする。声の主は手招きしている部長。

「自分の立場から言う話ではないけれど」

部長の席に近づくと、部長はにっこり微笑んでこそこそと話し始める

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