その男、猛獣につき
タクシーを降りるとそこは主税さんのマンション。

 

主税さんに手をひかれ、マンションに押し込められるようにして部屋に入る。

 

 

「やっと二人きりに慣れた」

 

玄関のカギを閉めた主税さんは、そう言って私を後ろから抱きしめる。

 

 

そう言えば、リハビリ室で話をしたあの夜から、二人きりになるのは初めてのことだ。

 

 

 

 

 

先週の土曜日の夜。

 

約束していた敦也さん主催の私の送別会。

 

敦也さんが予約していたもつ鍋屋は、頬が落ちる程本当においしかった。

 

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