その男、猛獣につき
「貸して?」

主税さんは私の首にネックレスをつけてくれる。
一度小さくうなじにキスを落とし、耳元で囁く。




「これで、少しは寂しくないだろう?」
胸元に輝くダイヤモンドに先生の優しさを感じ、大きく頷く。

「ありがとうございます。主税さん」


主税さんをみると照れくさかったのか、視線を彷徨わせる。





「それから、これは男除け」

「んんっ」


ちょっとだけ投げやりに言いながら、噛みつくように首筋に花びらのような痕を残す。



「消える頃には会いに来る」

動揺する私を、主税さんは意地悪に口角をあげて笑って見せた。


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