その男、猛獣につき
「主税さんが一緒にいてくれたら、きっとなんだって大丈夫」
胸の中で言った私の言葉に応えるように主税さんは強く私を抱きしめた。
「舞花、好きだよ」
私の上から降り注ぐ大好きな人の低くて色気のある声に胸の奥がキュンとする。
「私も、大好きです」
抱きしめられたままの胸の中で、主税さんを見上げる。
私の見つめる視線に気付いた主税さんと視線がかち合うと、私たちはどちらからともなくキスをした。
きっとこの人の隣にいれば、なんだって頑張れる。
この人の背中を追いかければ、ずっとずっと走って行ける。
社会人一日目。
暖かな空の下、大好きな彼の腕の中で、気持ちの良い春風に吹かれながら、私の胸は言い表せない幸福と希望に包まれていた。


