その男、猛獣につき
先生の胸の中にすっぽりと収まると、やっぱり落ち着く。

「やっとスタートラインに立てたな。」
「うん。これからが本番。主税さんに早く認めてもらえるように頑張る」

「先に言っておくけど、仕事中は厳しいからな。」
「覚悟しておきます、興梠先生」



「俺より、部長の方が厳しいけどな」

主税さんの言葉に私が驚きの声をあげると、主税さんは肩を揺らして笑った。



「舞花なら、大丈夫」
私をもう一度抱きしめた主税さんは私の背中をあやすようにポンポンと叩いてくれる。




主税さんの匂い、主税さんのぬくもり、主税さんの言葉を聞くとなんだか本当に大丈夫だって思えてくれるのが不思議だ。

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