その男、猛獣につき
「あっ、先生‼コンビニです‼」
コンビニまで3㎞と言っても、信号機が殆んどない山間部。
車に乗って数分、あっという間にコンビニまで到着してしまう。
到着。と、思ったのに、先生はコンビニの前をスピードも落とさず通りすぎてしまった。
「えっ、通り過ぎましたけど……」
「有田の買う物聞いたらコンビニより、ドラッグストアの方が良いと思うけど?」
助手席で少しばかり動揺してしまった私に、先生はいつもの涼しげな表情で言う。
先生のちょっとした優しさが嬉しくて、思わず顔を綻ばせた。
「ありがとうございます。」
はにかみながらお礼を言う私に、先生はチラリと見たけれど、直ぐに進行方向に視線を戻した。