その男、猛獣につき

先生は、コンビニを通りすぎると車で15分程の所にあるドラッグストアに連れてきてくれた。


先生はかごをカートに乗せると、そそくさと洗浄液とシャンプーを選び、お菓子コーナへ向かった。



そして、かご一杯にお菓子を入れた。
しかも、期間限定と新発売のお菓子ばかりを選んで。



「先生、こんなに食べきれません。」

困り果てる私を先生は隣で楽しそう眺めていた。


「これで、レポートを夜な夜な頑張れるだろう。」
意地悪そうな笑顔を浮かべて耳元で囁かれた。



ぎょっとして、隣の先生を見ると、先生は可笑しそうに口元に手を当てて笑っていた。


「頑張りまーす」

何かの台詞のように棒読みで私が言うと、先生はますます可笑しそうに笑っていた。




先生がバイザーじゃなかったら、私が実習生じゃなかったら、きっと私は先生のことが好きになってるんだろうな。


先生が隣で楽しそうに笑う横顔を見ながら、私はふとそう思った。

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