その男、猛獣につき
「今日はありがとうございました。すっごく楽しかったです。また来週もお願いします」
先生の車に乗り込むと、私は直ぐに下げる。
私は選手たちの練習が始まると、先生の助手としてアイシングやテーピングを手伝っていた。
けれど、それだけじゃ満足出来ずに、ボール拾いやリバウンドの手伝いを始めた。
最終的には、車イスを少しだけ拝借して、敦也さんの手厚い指導の下、車イスバスケ体験までしてしまった。
細かなルールはよく分からなかったけれど、練習が終わるまで、先生そっちのけで楽しんでしまった。
興梠先生は終始呆れ顔で、他の選手にテーピングやマッサージをしながら私と敦也さんの様子を眺めていた。