シークレットな関係
デザートを食べようとすると、高橋が私の隣に来て、上から下までサッと見て首を傾げた。
「まあ確かに、今の櫻井には、子供の頃みたいな輝きがねえな」
「な、素人なのに、わかったようなこと言わないで!」
痛いところを突かれてカーッとなる。
激情に任せて振り上げた手は、高橋の頬に当たる寸前にガシッと捕まえられた。
「素人だから分かることもあるんだよ。まだガキだった俺が勝負を挑みたくなった櫻井桃花は、こんな安っぽくなかった」
「そんな言いかた、いくらなんでも失礼でしょ!」
キッと睨み付けると高橋はニヤッと笑った。
「プライドは、まだあるのか」
グイと引き寄せられて後頭部が押さえられた瞬間、高橋の唇が私の唇に重ねられていた。
「や・・・ん」
驚いて口を開いた隙に舌が入ってきた。
口中を支配され、舌が絡められるたびに響く水音と二人がもらす吐息が思考を奪っていく。
強引だけど優しい。
その初めての感覚に体の芯が熱を持つ。
リップ音を鳴らして離れていく唇をぼんやり見つめていると、デコピンされて一気に熱が冷めた。
「痛っ、重ね重ね何するの!」
「ヘ・タ・ク・ソ。マジで硬いな。まさか経験がねえの?」
「あ・・・ある、よ。少しだけ」
「少し?男に慣れてねえから、硬いんじゃねえの。芸能界にいれば自然に擦れていくもんだと思っていたがな」
「恋する暇がなかったの!スキャンダルになるのも嫌だったし。誘われたりするのを避けていたら、この歳になってて」