シークレットな関係

「ひゃっ、や、高橋、危ないじゃない」

「危ねえかどうかは、ちゃんと見てるって。家デートではこうするもんだぞ。櫻井、結構手際がいいんだな。レシピも見ていない」

「あ・・・だから、作れるって言ったでしょ。邪魔だからあっちに行っててよ」

「嫌だね。こうして見ていたい」


なんてわがままな!と思うけれど、すっぽり包まれてるのが心地よく感じて、離れてほしくない。

そう思ってしまう私は、高橋のことが好きなんだろうか。

それとも、こんなふうに優しくしてもらえれば誰でもいいのかもしれない。

いままでずっと、一人だったから・・・。


包丁を使うから離れてほしいと言うと、彼はそうしてくれたけど、横に立ってずっと見ている。

まるで、お母さんの作るご飯を待ってる子供みたいだ。

じゃあ、高橋の中で今の私は、お母さん的立ち位置??


柚子味噌をかけたアツアツのふろふき大根、銀杏なしの茶わん蒸し、余った材料を入れたお味噌汁、ご飯。

我ながらにうまくできてホッとする。


「マジで美味いな」

「ホント?良かったー。私も、けっこうやるでしょ」

「ああ、認めてやるよ」


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