シークレットな関係

今日の占いは『意外な事実を発見しそう』だ。

何か起こる予感がする日曜日。

今日はタクシーではなく、高橋の運転する車に乗っている。

「家デート」ではなく「お出かけデート」をするらしい。

昨日の帰り際に様子がおかしかった彼だけど、今日は普通に見える。


「どこに行くの?」

「動物園。恋愛初心者マークを貼り付けた櫻井には、ぴったりの場所だろ」

「し、初心者じゃないから。これでも今までに二度くらいは・・・」

「それ、お子様で終わったんだろ。でなきゃ、相手の俳優の前で緊張するはずがねえ」

「確かに、あの時は二十歳で、経験もなかったけど。今は違うから!」

「そんな宣言するな」

「話を振ったのは、高橋の方でしょ。なんで怒るの」


昨日の妙な空気に陥りそうになったとき、車はコンビニの駐車場に停まった。

エンジンはかかったままサクッとシートベルトを外した彼が私の方へ身を乗り出してきて、え?と思った瞬間には顎が固定されて唇を合わせられた。

ここがコンビニの駐車場で誰に見られるとも分からないのに、彼の舌が口中を蹂躙する。

どこか分からないけれど、高橋の体をバシバシ叩いて抵抗を試みる。

それでもキスは続いてしまい、私の抵抗の手が止まった。

最後に唇を吸われて離れていく唇が、開いた目に映る。


「今のは俺が悪かった。でも“仮”とはいえ、今の櫻井は俺の彼女だ。彼氏である俺に、ほかの男にこの肌を触られたと言うんじゃねえ。分かったか」

「・・・ごめんなさい」


素直に謝ると、高橋は車を走らせた。

< 47 / 119 >

この作品をシェア

pagetop