シークレットな関係
青い空に白い雲と豊かな緑。
どこからともなく甲高い鳴き声が聞こえてくる。
動物園に来るのは十年以上ぶりでわくわくする。
「ね、高橋。ペンギンとサルは外せないよね!あとゾウも!あ、キリンもいいよね!」
入園料を払った際にもらった地図を見ながら、目的の動物がいる場所を探す。
「・・・お前、うれしそうだな」
「だって、すっごい久しぶりなんだもの」
動物園だけではなく、こんなふうに出かけるの自体久々だ。
「そんなに喜んでもらえるとは、連れてきた甲斐があるってもんだ」
「ね、早く行こうよ。ペンギンはあっちみたい」
「まあ、待てよ。一日は長いんだ。ゆっくり順番に回ろうぜ」
ほら、と手が差し出されて、そっとのせると指を絡めてきた。
そして私の歩く速度に合わせてくれる。
高橋はズルイと思う。
駐車場でしてきたキスも、この恋人つなぎも、油断すると勘違いしそうになる。
『好きになったら終了』
こんな契約、早く終わらせたいのだろうか。
自分から言い出した手前引っ込みがつかなくて、わざと甘く優しくして、私が惚れるのを待ってるのかも・・・。
手をひかれるまま歩いて、ゾウのノシノシ歩く姿と鼻を揺らすところを堪能して、ライオンの立派なタテガミにため息をついた。
「カッコイイね。でも全然動かないね」
「まあ、基本的にエサの時間以外は動かないだろ。見て面白いのはサル山だよな」
「そうだよね。でもペンギンもかわいいよ。泳いだりするし」