シークレットな関係

ふとわいた寂しさを誤魔化したくて、他の話題を探す。


「ね、高橋は最近モテモテだね!」

「ああ、あんなの一過性のもので、すぐに冷めるだろ。あいつら、俺の表面しか見てねえからな」

「そんなことないと思うよ?あれだけ熱心に好意を寄せられたら、高橋だってそのうち心が動くんじゃない?」

「ま・さ・か、だ。本当にモテたい相手は別にいる。アプローチされるなら、ソイツのしか受け付けねえよ」

「そっか。そうだったよね」


失敗した。この話題も駄目じゃないか。

却って切なさを増すなんて、私は何をやってるんだろう・・・。


もしかして高橋の好きな人は同じ会社の子かも。

それか同じビルで働く子だったりして。

それで、その子からのアプローチを待ってるのかな。

それとも契約終了後に攻めるつもりなのかな。

私とのことは、高橋にとっても恋の練習になってるんだろうな。

胸が締め付けられて、苦しい。

いっそのこと、気持ちを打ち明けたほうが楽なのかな。

それでスパッと振られて、終了──。


コンビニに着き、プリン二つとパンを幾つか買って外に出ると、高橋が「ちょっと待ってろ」と言い残して中に戻っていった。

どうやらトイレのようで、奥のドアに入っていく。

見上げれば真っ暗な空。

しとしとと止まない雨は、まるで今の私の心のようだ。


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