シークレットな関係

「俺は、明日から三日間出張でしばらく会えない。だからその分手加減せずに抱いたんだ。キツいだろ?お前は時間まで寝てろ」


な?と言って、ぽんぽんと私の頭を撫でてシャワーを浴びにいった。

私はぐったりしているのに、彼は全然平気そう。

これは男と女の体力の差なのか、それとも彼が特別なのか。


「とにかく、起きなくちゃ」


彼の言葉はとても優しくて甘えたくなる。

けれど、気だるい体を叱咤してベッドから下り、適当に服を着てキッチンに立った。

だって彼の『適当に食べる』は、イコール『缶コーヒーで済ませる』に近いのだ。

不健康だと思うし、彼女である私としてはきちんと食事をしてもらいたい。

放っておくと、インスタントや味の濃いお惣菜の食事ばかりになるんだから。


ドリップコーヒーをセットして、トーストを焼きながら野菜サラダを作る。

ちょうどパンが焼き上がった頃、彼が髪を拭きながらキッチンに来たのでテーブルに着くよう促した。


「寝てろと言ったのに」


そう言いつつも嬉しそうに食べてくれるから、無理して良かったと思う瞬間だ。


「じゃ、行ってきます。俺がいない間、戸締まり気を付けろよ」

「はい。いってらっしゃい」


身支度を整えて出勤していく彼を見送り、私もシャワーを浴びて一通りの家事を済ませる。

メイクを終えると丁度マネージャーが迎えに来た。

今日は雑誌の取材が二件ある。


「桃瀬さん、おはようございます」

「おはようございます」


車に乗り込み、私も仕事に向かった。


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