儚い愛を貴方と…
よく考えれば俺は馬鹿な行動をしているだけだった。
夢で会った子を探す、なんて普通ならしないだろう。

帰ろうか、と考えたが、俺は桜並木の近くにある梅園に向かった。
こっちは桜並木と違い、人が一人もいない。
昼寝をしたい、なんて考えてしまうほど静かだ。
静かに梅園を眺めているのもいいかもしれないが、俺は未だに無意識のうちに夢で会った子を探していた。

ここには小さな丘がある。
その前にはもう廃校になった小さな小さな小学校がある。
そこではよくゲートボールをしている人を見掛ける。

梅園からそう遠くない場所にあるため、俺はその丘に向かった。
丘の上には女性の像がある。

俺は丘に登り、辺りを見回した。

「……あの…」

「君は…!」

正直驚いた。
俺の後ろにいつの間にかいた同い年くらいの女の子。
春らしい明るい色のワンピース。真っ白な肌。
透き通るようなこの声……。


─‥夢で会った女の子だ…。
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