水男(ミズオ)
「う!うわああああ!」


足を滑らせた俊介は
ママの写真とともに



奈落へと落ちていった。



ドスンという鈍い音。



ちらりと下を見た亜美は
ため息をついて


窓を閉めた。



そしてソファーの下から
水のペットボトルを取り出した亜美。


「ロクに探しもしないんだから」


亜美は手にした水を
一気に飲み干す。


亜美の飲んだ水は


どこまでも透明で
どこまでも清らかだった。





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