水男(ミズオ)
「分かりません。いるかもしれないし
いないかもしれない」


平野は目を開いた。


数々の悲しい事件を目にしてきた
鋭い目に


美しい木々の緑の風景が
写っている。


「まだ何もわかりませんが
私もベテランと言われる刑事です。


収穫の一つもなしに
引き上げるわけには行かないので


必死に観察してきました。


私がボクと言った瞬間の
会議室にいた人の表情をね」


中村はニヤリとして平野を見た。


「なるほど。平野さんがあの会議室に行った
目的はそれだったのか」


平野はうなずいた。


「まあね。まずはご挨拶からと
思いまして

あの会議室に行ったわけなんです」
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