専務とお見合い結婚!?
専務は私を解放すると、なぜか私の手をとる。
「着物、慣れてないだろ?ちゃんとエスコートするから」
「だ、大丈夫ですってば!」
「遠慮すんなよ。会社行けば、上司と部下かもしれないけど、今はひとりの男と女で、おそらく婚約者になるだろうという間柄なんだから」
今は、ひとりの男と女……。
ふすまを開けて部屋を出る。
長いろう下を歩き、途中で曲がったところに庭に出る出入り口があった。
そこに、男物の靴と私が履いてきた草履が用意されている。
「後で庭を散歩するから準備してくれってお願いしといたんだ」
「さすがですね……」
常に先のことを予測して動く……。
専務はいつもそうだった。
思わず感心してしまうと、専務はフッと笑う。