四百年の誓い
 美月姫ははっきりと否定した。


 その強い目線に、今度は丸山がたじろぐほどだった。


 「違う? どう違うんだね」


 「……」


 言葉ではうまく説明できない。


 「では聞くが、君は優雅のどこが好きなんだね」


 「え……」


 「見た目かね。それとも性格? あの複雑な性格には、付いて来られる女の子はまずいないとは思うが。やっぱり血筋かね?」


 「そんなの関係ありません……」


 「もしも優雅が目も当てられないほど不細工で、勉学激劣で家柄もお金も何もない男だったとしたら、それでも君は優雅を好きになったとでも?」


 「私は、ありのままの優雅くんが好きなのです」


 好きになる理由なんて、美月姫には分からなかった。


 気がついたら恋に落ちていた。


 偶然?


 必然?


 運命?


 それとも前世からの宿命?
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