四百年の誓い
 ・・・。


 「そんなことが……」


 あらましを伝え終えると、優雅はため息をついた。


 「幹事長、俺には何も告げずに、美月姫に会いに行ったのか……」


 「先手を打ったんだと思う」


 「俺の結婚までの関係と割り切って、おとなしくしていさえすれば黙認するし、就職などの面倒を見る、とも提案してきたんだね」


 「……」


 結婚相手もあてがうと言われたことは、伏せておいた。


 「ごめん……。美月姫に嫌な思いをさせて」


 「大丈夫。別れろと脅されたり、暴力を振るわれたわけじゃないから」


 美月姫は気丈に答えた。


 身体的暴力は受けていないが、心には深い傷を負っていたのを隠しながら。


 「今度会った時に、また話そう。これからのことを」


 「うん……。会いたい」


 「俺もだよ。でも今週末はそっちに行けないんだ。来週以降なら美月姫は大丈夫かな」


 「優雅くんに合わせる」


 「そうか。その時にまたじっくり話し合おう。これからのことを」


 「うん」
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