四百年の誓い
 狐につままれたような気分のまま、京はログハウスの玄関を出て、階段を降りて道に立った。


 道の向こうはゴルフ場。


 ゆるやかな勾配で下っていて、奥には森が広がっている。


 先ほどここから逃げ出した優雅と美月姫の姿は、どこにも見当たらない。


 気配すら消えてしまった。


 森へと逃げ込んだのだとしたら厄介だ。


 それとも周辺に点在するログハウスのどこかに潜んでいるのだろうか。


 京は予想を絞れなかった。


 空には金色の月が、静かに輝いているだけだった。
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