四百年の誓い
 「ごめんね、待った?」


 「いや、今ちょうど着いたところ」


 無事に優雅と再会。


 この日美月姫は大学で、最後のコマまでゼミがあった。


 ゼミ終了後、次の発表分の分担について友人と話し合っていたのだけど、つい長くなってしまった。


 おかげで走る羽目になったものの、無事に札幌駅で優雅と再会。


 「少し歩こうか」


 優雅は最小限の荷物しか持っていなかったので、そのまま街の中心部に横たわる大通公園を散策することにした。


 「……いい香りがするね」


 「ちょうどライラックのシーズンだから」


 夕闇迫る大通公園には、ライラックの甘い香りが立ち込めていた。


 そして若葉の爽やかな匂い。


 夕暮れの空の幻想的な紫色。


 おぼろげな上弦の月の光と相まって、美月姫の胸は高鳴った。
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