Office Love
On Christmas


昨日は嫌って程愛されて、身体を起こす事すら儘ならない。
けど、乾いた喉は水分を欲し、重たい身体を持ち上げる。


「どこ行くねん?」
「お水飲みに・・・」


ギュッと腰に回された腕にさらに力が籠る。


「どっこも行かせたない。」
「どこにも行かないよ。お水取ってくるだけ。」


クスクスクスと笑えば、一気に天井が見えた。


「そないな事言うててええんか?」


ニヤリと上がった口角は、一気に私のそれを塞ぎ、中まで侵入してくる。
お互いの口内を確かめ合う様に何度も何度も行き交う舌に、追い付く事すら出来なくなる。


「っん・・・ふぁっ・・・」


酸素の足りなくなった脳に二人の水音がやけに厭らしく聞こえた。
フッと離された唇に、淋しさを感じながらも、一気に酸素を貪る。


「真子さんしかいないよ・・・・」
「可愛ええ事言うな。」


口角の端を上げながらも、真子さんはちょっと照れた様に、顔を背けた。
力の抜けた腕から抜け出し、お水を取りに行く。
後ろから真子さんの声が聞こえる。


「今日は行きたいとこあんねん。ええか?」
「どこ~?」と、聞けば、「行ってからのお楽しみや。」と言われた。




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