ゾッとするホラー短編集
私がひろぽんさんの目の前で

何も言えずに下を向いていると、

ひろぽんさんは私に

嫌そうな顔を見せて言った。






「あのう、あなたは誰ですか?




僕に何か用事でも……」






私は、ひろぽんさんが言った

その言葉に、

ショックを受けて、

胸が痛んだ。






私は、白いシャツに

黄色のカーディガンを

着ていきますって、

ひろぽんさんに

ダイレクトメールを

送ったのに……。






私がダイレクトメールに書いた

その服を着ていても、

ひろぽんさんは、

私のことを少しも

麻美子だと思っていなかった。






私は嫌な汗をかきながら、

下唇を噛んでいた。
< 203 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop