ゾッとするホラー短編集
「僕は今日ここで、

待ち合わせをしているんです。




もし僕に用事がないのなら、

どこかへ

行ってもらえませんか?」






私はひろぽんさんのその言葉に

深く傷ついた。






ひろぽんさんが

待ち合わせている女性は、

私以外にはいないのだから……。






〈 ひろぽんさんが私を

麻美子だとわからないのも

無理ないわ。





だって私は、陰気な三十女、

香川桜子。




かわいらしくて、

健気な麻美子とは真逆の存在。




私はデブでブスでチビな

香川桜子 〉
< 204 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop