不器用な愛を刻む










それから裏口から店を出た
椿と景次は




足りない食材を買いに

町中へと出た。











「お使いだと言ってくだされば
私1人で買いに行きましたよ??」

「いやー俺もちょいと休憩したくてさ!」









ズル休みだけど
たまには息抜きしないとなー!







そう言いながら
ケラケラと笑う景次。




椿もそれにつられて

クスクスと小さく笑う。









そのように

いつものように賑わっている町を
歩いていれば




目当ての八百屋に着いたと同時に



後ろから
軽くギュッ、と

椿は肩を抱かれた。











(えっ、何!?誰───!?)











隣にいた景次も

ギョッとしながら
椿のそんな様子を目にする。








椿が 驚き振り返えると───












「やっぱり。椿ちゃんだ。」

「き、喜一さん…!!」











"あの日"以来の

喜一が立っていた───。









< 156 / 180 >

この作品をシェア

pagetop