不器用な愛を刻む







椿と生活していく中


『守る存在』ができたことで







俺の中の世界は
---劇的な変化が起こった。










(早く帰らねェと…あいつ心配するな。)








そう思って

段々と帰る時間は早くなった。





前から癖になっていた

夜の町徘徊も

あいつが来てから 行かなくなった。








それに









「…ありがとうございます。」







そう言って



俺からの贈り物を

嬉しそうに身につける姿や











「ククッ……顔、赤ェぞ椿。」

「っ…き、気のせいです!」









そう言いながら


恥ずかしそうに顔をさらに赤くする姿に









俺は何かが
"満たされる"感覚がした。






それも



今になってやっと分かる。












(-------お前、だったんだな。)










ずっと独りだった

自分の心に突然現れて






自分の欲しい言葉や

行動を起こして………















───いつしか


俺は『孤独』を感じなくなっていた。











(……俺の)











俺の心を

孤独から救ってくれたのは





…お前だったんだな……椿。















(………俺はこんな所で…)











あいつを







1人にするわけには…いかない。








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